ダイエット中に控えるべきは油脂よりも糖だった?!|管理栄養士コラム
「最近体重が増えてきたから油ものは控えてて…」なんて言葉を耳にしたことがあります。
体重が増加すると油脂を控える方が多くいらっしゃいますが、本当に油脂を控えるだけで体重増加を止めることは出来るのでしょうか?
ぜひ覚えておいていただきたい、体重増加の原因をご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
油脂が太る?
以前の健康常識では油脂をたくさん食べると、身体の脂も増えるのではないかと思われがちでした。
- 油脂をとりすぎると身体の脂肪がついて体重増加になり内臓脂肪がつきやすい
- 油脂を減らすとやせる
- 動物性の脂肪より植物性の油が健康になる
- 食事のコレステロールを減らすことで血中のコレステロールが改善され健康になる
と思われていました。
思い当たることがあるのではないでしょうか。
しかし最近になって科学的な研究も進められ、食事の脂質の摂りすぎで生活習慣病になるというのは誤りだったことが証明されています。
体重を増加させているもの…
では、どの栄養素が体重増加につながるのでしょうか。
それは「糖質」なのです。
糖質を体に摂り入れることで血糖値が上がります。
血糖値が上がるとすい臓からインスリンというホルモンが分泌されるので、筋肉が血糖を取り込み血糖値を下げます。ですが、余った血糖は中性脂肪に変え体脂肪として身体に蓄えられてしまうのです。
それから血糖値の乱高下が身体の脂肪を作り、そこから病気につながることも。
血糖値の乱高下とは血糖スパイクとも呼ばれ、食後の血糖値が急上昇と急降下を起こす状態のことです。脂肪がつくだけではなく、血管にダメージも与え様々な病気になる可能性があります。
糖質の摂りすぎは体重増加の他に、うつ病やイライラにも繋がる可能性があり最近はがん細胞のエサになるとも言われています。
糖質オフ生活を続けると
糖質は摂りすぎると体重増加につながりますが、実は完全に摂らないのも体調を悪くしてしまいます。
糖質オフにした食事は脂質に偏った食事になりやすく、コレステロール値を悪くさせてしまう可能性や低糖質高脂質の食事で肝機能障害を起こす方もいます。
吐き気・めまい・ふらつき・震え・動悸・空腹感・頭痛などの症状が現れ低血糖の症状が現れます。
糖質はグリコーゲンとして貯蓄、筋肉の活動を支えますので全くとらないのも体によくありません。
精製された炭水化物は血糖値を上げやすいので(小麦粉・白米など)玄米など精製されていない炭水化物で糖質摂取することがおすすめで。
3食しっかりおにぎり1個分のご飯を摂ることで、腹持ちがよくなり食べすぎを防ぐ効果もあり、減量にも効果的です。玄米が苦手な方は3分づき※の米はいかがでしょうか。
週1日から2日は満腹にしても体重に響きませんが、普段は腹7分目~8分目程度の食事が健康の秘訣でもあります。
※玄米から糠や胚芽を残すのが分づき米です。玄米→3分づき→5分づき→7分づき→白米の順に、数字が小さいほど玄米に近いお米です。
食事の順番が体重をコントロールする
べジファースト・プロテインファーストという食べ方を聞いたことはありますか?
実は食事の順番を気にすることが体重のコントロールにも繋がります。
どのように食べる順番を意識するといいのかをご紹介します。
ベジファーストな食べ方
べジファーストは野菜(キノコ)から先に食べるというダイエット法です。野菜から先に食事を摂ることで、血糖値が緩やかに上昇しやすくなります。
緩やかに上昇して緩やかに下降するので、満腹感も持続し、血管も傷つけにくくなるメリットもあります。
そして、野菜やキノコなどに含まれている食物繊維は、血糖値の急激な上昇を抑える働きも。
プロテインファーストな食べ方
最近では、タンパク質から摂っても、血糖値の急激な上昇を抑えることができることがわかっています。
ですが、糖質の多い野菜、根菜類…にんじん、レンコン、大根など、とうもろこし、かぼちゃ、イモ類は糖質が多い野菜になります)や砂糖などで味付き、小麦粉などの衣で揚げたお肉などから召し上がると血糖値が急激に上昇しやすくなります。
低糖質の食べ物から先に食べるようにしましょう。そして、ゆっくりよくかんで食べることで満腹中枢が刺激されます。1口30回程度は噛むように意識することがベストです。
※豆知識
ゆっくりかんで召し上がる事で唾液も分泌されます。唾液にはIgA(免疫グロブリンA)という免疫物質があり、抗がん作用があります。
体脂肪がつきにくい?!
油脂は身体の脂を作ると言われてきてましたが、体脂肪がつきにくい油もあるのです。
それはココナッツオイルとMCTオイルで、こちらは中鎖脂肪酸と呼ばれています。
中鎖脂肪酸は、小腸から門脈を経由して直接肝臓に入り、そして肝臓で分解され全身の血液を回らずに素早くエネルギーになるのです。全身の血液に回らないため、脂肪として貯蓄されにくいのです。
中鎖脂肪酸はそのほかに母乳にも含まれています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
糖質はとりすぎても体重増加しますが、なくても体調が悪くなってしまう摂取バランスが大切な栄養素です。
週5日は栄養を意識した食事を摂り、週1日から2日はチートデイを作りながらダイエットを頑張ると末永く継続できそうですね。
食事はとても大事ですが、健康的な体を目指すには運動することも大切です。
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