【肩が上がらない⁉】四十肩・五十肩はなぜ起こってしまうのか?簡単改善方法3選をご紹介
肩の不調として有名な四十肩や五十肩には、いろいろな呼び方があり凍結肩とも呼ばれることがあります。
名前の由来は痛みが少ない、もしくは痛みがないのに腕が上がらないためです。
今回はそんな凍結肩についてご説明していきたいと思います。
凍結肩ってどんな症状?
凍結肩は肩関節周囲炎や癒着性関節包炎など、肩関節疾患により関節拘縮(かんせつこうしゅく)を引き起こした疾患を総称したものです。
その他の凍結肩になる原因疾患
- 上腕二頭筋長頭腱鞘炎
- けん盤断裂
- 石灰腱炎
- 変性性関節症
など、これらの疾患は肩関節周囲炎や癒着性関節包炎とは治療法が異なり、無理に動かしてしまうと炎症がひどくなってしまったり、状態がひどくなることが想定されます。
その場合は専門のリハビリを受ける必要があるので、整形外科やリハビリテーション科がある病院の受診をお勧めします。
3つの時期
また凍結肩では凍結進行期(freezing phase)、凍結期(frozen phase)、解凍期(thawing phase)の3つの時期を経て改善します。
はじめの症状では肩に痛みが出始め、動かすだけでなく、安静時や夜間の睡眠時にも痛みが出ることもしばしばあります。
痛みの原因としては急性症状である炎症反応が原因として上げられます。
炎症反応では痛み、熱感、腫脹(しゅちょう)を伴います。
熱感や腫脹は2~3日で治まることがほとんどですが、痛みは長引く傾向にあります。
その痛みにより、動かさなくなることで徐々に肩周りが固くなることを凍結進行期と言われています。
痛みがあり、肩を動かさなくなると肩回りの筋肉が凝り固まっていきますが、筋肉だけでなく肩関節を形成する関節包や靭帯なども凝り固まっていきます。
痛みは少ないかもしくはなくなるころには、肩が上がらなくなるなど完全に固まってしまうまでになると凍結期となります。
その後、リハビリなどで徐々に動かすことができるようになると解凍期となり治癒すると言われています。
肩関節の構造
肩関節を構成する骨は上腕骨、肩甲骨、鎖骨です。
これらの骨を覆うように関節包があり、さらにその周りに滑液包や靭帯、筋肉、皮膚の順に覆うようにできています。
治療法は?
まずは痛みの原因や動かなくなってしまった原因を確認する必要があります。
肩関節周囲炎や癒着性関節包炎が原因であれば痛みが治まった後にリハビリをしていくことで改善していく傾向にありますが、けん盤損傷や変形性関節症などが原因による痛みの場合、手術などの治療が必要になる場合があります。
また詳細を確認するためにレントゲンやMRIなどの専門的な検査が必要な場合も多くあります。
2~3日経過しても痛みや熱感が治まらない、腕が全く上がらない、強い痛みが出る場合などは整形外科を受診することをお勧めします。
凍結進行期では肩関節周囲に炎症が起こっているため、無理に動かすことは避けた方がいいとされています。
治療法としては鎮痛剤を使用したり、安静にすることが必要になります。
あまりに強い痛みがある場合などは、三角巾やアームスリングなどを使用し、腕を吊り下げるなどし、安静にしましょう。
三角巾の吊り下げ方
薬局などでも三角巾として売られているものもありますが、ご自宅にある風呂敷や大判のバスタオルなどで代用することも可能です。
タオルなどを三角に織り、端同士を結びます。(画像の赤い四角部分同士)
- タオルなどを三角に織り、端同士を結びます。(画像の赤い四角部分同士)
- 三角の頂点にあるところに結び目を作っておきます(黄色丸部分)
- ②で作った結び目が肘の方に来るように腕を通します
- ①の結び目が首の後ろに来るように頭を通します
※結ぶだけの幅がないなどの場合は輪ゴムやひもなどでくくっておきましょう。
※長時間吊り下げておく、首が痛くなるなどの場合は④の際に痛みのない方の肩を一緒に通し首掛けから肩掛けに変える工夫をしましょう。
凍結期に入り、動かした際の痛みが減少してきたときにしっかりと肩回りの運動が必要になります。
特に肩関節周囲炎や癒着性関節包炎などが原因の場合の運動を以下に紹介していきたいと思います。
コッドマン体操(振り子体操、アイロン体操)
腕を脱力した状態で運動することで痛みの無い範囲で肩の可動域を広げることができる体操です。
方法
用意するもの:500mlのペットボトルやおもり
- おもりを持ち、軽く腰を曲げ、腕を脱力させます
- 上下左右にゆっくりと揺らします(遠心力を利用するように)
- 動かして痛くない場合はゆっくりと円を描くように動かします
肩挙上練習
肩の可動性に加え、肩を動かすための三角筋という筋肉を動かす練習になります。
方法
- 仰向けになり痛みがある方の手首を痛みがない方の手で軽くつかみます
- 痛みのない方の手主体で腕を頭の上にあげます
- この時に痛みのある方の手のひらが自分の方に向けるようにします
- 痛みがない範囲で上げ下ろしをゆっくりと行いましょう
チューブトレーニング
腕を上げるときに肩甲骨を動かす作用がある小円筋と棘下筋を鍛えるための運動です。
方法
- わきをしっかりと閉めた状態で親指を上にした姿勢をとります
- わきを閉めたまま腕を外側に開きます
- この動きを10~20回繰り返します
このほかにも凍結期~解凍期に必要な運動はありますが、お身体にあった内容の運動が必要になります。
そのためには固くなっている筋肉や弱っている筋肉がどこなのかを評価していく必要があります。
スマートチェーンおすすめサービス
ストロークジムの作業療法士、サイトウです。
専門は脳卒中リハビリや生活期リハビリ。
病気になってからのリハビリのご相談だけではなく、病気になる前の予防的についても積極的に配信していきます!
脳卒中リハビリにご興味がある、相談したいことがある方は
ストロークジム公式HPからお気軽にお問合せください。
- ホーム
- コラム
- メディカルフィットネス
- 【肩が上がらない⁉】四十肩・五十肩はなぜ起こってしまうのか?簡単改善方法3選をご紹介