よくある腰痛症3つをご紹介!ご自宅でできる予防法について!
実は腰痛と一言にいっても原因は様々です。
整形疾患としての腰痛だけでなく、内科系疾患でも腰痛が出ることがあります。
整形疾患でもヘルニアやすべり症、絞扼神経障害、股関節疾患など様々です。
今回はそんな腰痛について、特にヘルニア、腰椎分離症、筋膜性腰痛を中心にどんな病気か、予防・治療の運動方法についてご紹介します。
腰椎椎間板ヘルニアってどんな病気?
腰椎椎間板ヘルニアとは、髄核と呼ばれる組織がはみ出し、脊髄の神経を圧迫し腰や足に痛みを引き起こす病気です。
よく耳にするぎっくり腰も椎間板ヘルニアが原因のこともあるので、痛みの出る範囲やそのほかの神経症状がないか確認する必要があります。
原因は加齢やスポーツによる負担がきっかけになることや、精神的ストレスなど様々な理由が関与していると言われています。
急激な腰痛は1~2日で軽快することもありますが、平均して4週間ほど症状が残ります。
特に足の痛みなどは、くしゃみで悪化することもあります。
また神経への圧迫が進行すると、両足の感覚・運動障害、排尿障害がおこることがあり、そこまで増悪すると手術的治療が必要になります。
両足の感覚障害が起こる場合は下図のような範囲でしびれや痛みを伴う感覚障害が発生します。
腰椎椎間板ヘルニアの簡単な検査方法としてはSLRテストがあり、陽性の場合、70°以下で腰~足(坐骨神経に沿った)に痛みやしびれが出てきます。
腰椎分離症ってどんな病気?
青少年の腰痛における腰痛の原因の一つであり、スポーツや過度な伸展や屈曲による負担が繰り返し加わることで発症します。
脊柱は通常連続して連なっていますが、脊椎分離症になるとその連続性が断たれ、極端に脊椎と脊椎の間に隙間ができてしまう疾患です。
また隙間ができることで脊柱は安定性を失い、位置がずれてしまうことを脊椎分離すべり症と言います。
青少年の場合は保存療法で治ることもしばしばありますが、成人の場合は保存療法では治りにくいとされています。
スポーツや日常生活で痛みがない場合もあるのでその場合は経過観察をしていきますが、支障が出る場合は手術が適応になります。
筋膜性腰痛ってどんな病気?
筋膜性腰痛は腰痛の原因の中で最も多い疾患と言われています。
腰の周りには筋肉が多く存在しています。この筋肉は主に“背筋”と言われるもので、この背筋をなんらかの原因で痛めてしまい、腰痛として現れたものを筋膜性腰痛と言います。
特に重いものを持ったり、長時間歩くなど腰に負担を掛ける動作やゴルフなどのスイングで腰を捻る動作を機に急激に痛みが出た場合をぎっくり腰とも言います。
また慢性的に重だるいような痛みが続く状態も筋膜性腰痛によるところが大きいです。
ぎっくり腰になる他の疾患
ぎっくり腰は急性腰痛の通称で、強い痛みがでることなどからドイツ語ではHexenschuß:“魔女の一撃”ともいわれています。
椎間板ヘルニアと筋膜性腰痛のほかに、腰椎椎間関節捻挫、仙腸関節性腰痛などががあります。
急に痛み出した時の対処法
これらの腰痛は急激に悪化し、痛みが出てくることが多く見られます。
痛みが出たときはすぐに動くのをやめ、安静にするなどの対処が必要です。
その時には応急処置の手順であるRISE(ライス)の原則が役立ちます。
R:REST(安静)
まずは脊椎(背骨)に負担がかからないように安静にする。(横になり負担を減らす)
I:ICE(冷やす)
急激に痛みが出た場合は急性炎症であることが多く、冷やすことが必要です。ただし、長時間冷やしすぎると血流が滞り、治りが遅くなるので適度に冷やしましょう。
C:COMPRESSION(圧迫・固定)
コルセットなどを使用し、腰に負担がかからないように固定しましょう。
E:ELEVATION(挙げる)
足を上げるなどして腰にかかる負担を減らします。
また痛みが和らいできてもすぐに動いてしまったり、マッサージをしてしまうと悪化する危険があるので急激に痛み出した直後は控えた方がいいでしょう。
腰痛の予防方法
腰痛の予防方法としては大きく分けて3つあり、1つは筋肉を強張らせないようにするストレッチ、もう1つは筋肉を鍛える筋力トレーニングです。
最後の1つは腰に負担のかかる姿勢をとらないです。猫背や反り腰、足組や体育座りなどは骨盤の位置がずれやすく長時間同じ姿勢をとっていると腰痛につながります。
運動のほかにも普段の姿勢も意識してみてください。
では運動の方法のストレッチと筋力トレーニングの具体的な方法を確認していきましょう。
ストレッチ
腰回りの筋肉が固いと急な動きについていけず、筋肉や骨に負担を掛けてしまいます。
普段からストレッチなどを行い、腰にかかる負担を減らしていきましょう。
膝抱えストレッチ
腰~お尻にかけてのストレッチ
- 仰向けの状態で片膝を抱える姿勢をとります。
- 膝と胸を近づけるように引き上げます。
猫のポーズ
肩~背中にかけてのストレッチ
- 四つん這いの姿勢をとります。
- お尻をゆっくりと後ろに引きます。
体幹回旋
肩~背中にかけてのストレッチ
- 椅子に座り、両手を正面に向けて伸ばします。
- その姿勢のまま身体を左右にゆっくりと動かします。
体幹側屈
背中~脇腹にかけてのストレッチ
- 天井に向け、手を伸ばします。
- 左右に体をゆっくりと倒し脇腹を伸ばしていきます。
膝伸ばし
お尻~裏腿にかけてのストレッチ
- 椅子に座り、片足を前に伸ばします。
- 伸ばした方の膝を上から軽く押して裏腿を伸ばします。
筋力トレーニング
反り腰になっていると腰にかかる負担が大きくなってしまうので、まずは反り腰の改善が必要です。
とくに女性は全身の筋力が男性に比べ弱く、反り腰になりやすいと言われています。
反り腰を改善するためにも腹筋を鍛える運動を中心に行っていく必要があります。
普段から良い姿勢を意識できるように筋力トレーニングを行っていきましょう。
ヒップアップ
お尻と腹筋の筋力トレーニング
『目安回数:20回×2セット』
- 仰向けになり、膝を90°に曲げます。
- ゆっくりとお尻を上に持ち上げます。
ドローイン
腹筋の筋力トレーニング
『目安回数:10回×2セット』
- 息を鼻から大きく吸い込んだ時にお腹をしっかりと膨らませます。
- 口から細く息を吐き、お腹をへこませていきます。
プランク
肩回り、腹筋の筋力トレーニング
『目安回数:10セット』
- うつ伏せになり、前腕と膝で体を支えます。
- そのままの姿勢で30秒ほどキープします。
キャットバック
肩甲帯、背中、腹筋の筋力トレーニング
『目安回数:5回×2セット』
- 四つん這いになり、背中をしっかりと丸めます。
- 顔を上げ、ゆっくりと背中を反らします。
まずは痛みのない範囲でゆっくりと運動をしていきましょう。
まとめ
腰痛は痛みの出る場所や痛み方によって対応方法が異なります。
痛みが強い場合やしびれが出てきている場合は整形外科などの受診が必要になりますが、腰痛予防は今からでも始められます。
まずは腰痛が起こらないための身体づくりをしていくことが大切になります。
またこの他にもストレッチ方法やトレーニング方法はたくさんありますが、腰の痛みや体の状態にあったトレーニングの選択が必要になります。
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