お尻の筋肉は一つではない?何筋を鍛えるべきなのか?トレーナーが徹底解説
突然ですが、皆さんはお尻の筋肉がいくつあるか知っていますか?
お尻は大きな筋肉から奥の方にある細かい筋肉まで多くの筋肉が密集している部分です。
- ヒップアップをしたい方
- シュッときれいな下半身を手に入れたい方
お尻を鍛えたい方にとっては必見の内容になっておりますので、気になる方は是非、最後までご覧ください!!
▼この記事を読んで欲しい方
- ヒップアップをしたい方
- キレイな下半身を手に入れたい方
- 下半身を引き締めたい方
- お尻の筋肉について知りたい方
- お尻の筋肉についてよくわからない方
- 腰痛持ちの方
- 腰痛改善をしたい方
▼この記事を読んで分かること
- お尻の筋肉の特徴とは
- お尻の筋肉の役割とは
- お尻の筋肉はどのようなものがあるのか
- お尻の筋肉のそれぞれの付着部や作用について
- 表層筋と深層筋の分類について
お尻の筋肉の特徴とは?
お尻の筋肉と言われて、皆様はどのような印象を持つでしょうか?
- 大きい筋肉?
- 柔らかい筋肉?
- なんだかよくわからない?
などなど、様々なイメージがあると思います。
まずは、お尻の筋肉にはどのような特徴があるのかを言う部分をまとめていきます。
お尻の場所としては、「骨盤部の後方部分」にあたります。
お尻から下の部分を下半身と表現することが多く、大腿部など下半身を支えるために筋肉が集中している場所です。
お尻=臀部とも表現され、お尻の筋肉=臀筋と言われることもあります。
お尻は二足歩行の動物にだけあるものではなく、鳥類や昆虫類にも同じようにお尻が存在しています。
- 鳥類:尾羽部分
- 昆虫類:胴体部の最後部
- 爬虫類:尻尾部分
と同義であり、同じようにお尻が存在していますが、形態や役割などに違いがあります。
人は進化の過程で4足歩行から2足歩行に変化しましたが、直立姿勢の関係で、背面部が平らになっているため、お尻部分だけが後方に突き出している状態となり、見た目で目立つような形状になっている。
焼肉屋さんに行くと様々な部位がありますが「イチボ」「ランプ」がお尻部分のお肉です。
では、ここからはお尻が身体の部位の中でどのような位置づけなのかをお伝えしていきます。
人には部位によってそれぞれ名称があり、それぞれの部位でどのくらいの割合を占めているのかという指標があります。
- 頭:8%
- 体幹部:46%
- 上肢:上腕で4%×2、腕で3%×2、手部で1% 合計16%(8%×2)
- 下肢:大腿部で7%×2、下腿部で6%×2、足部で2%×2 合計30%(15%×2)
という割合で成り立っています。
※上肢、下肢は左右で1つずつのカウントとなるため×2で表現。
ここで着目して欲しい部分は体幹部の割合です。
見て分かる通り、体幹部が各部位の中で最も多い割合を占めており、全体の46%を占めています。
そして、今回のテーマである「お尻」はどこに位置しているのかということを考えてみましょう。
お尻は体幹部と下肢を繋ぐ場所に位置しています
ということは、、、?
全体の46%を占める体幹部を支え、お尻が支えになった状態で下肢へと力を送り、安定感を作り出したり、ヒト特有の二足歩行を実現させる必要があります。
お尻の筋肉は全身のどの筋肉よりも面積の大きな筋肉と言われています。
この面積の大きなお尻の筋肉が少なくなっていたり、上手く使うことができていない場合に骨盤帯が安定せずに腰痛を引き起こしてしまったり、姿勢が崩れてしまったりといった事態が発生します。
二足歩行をして生きていく中でお尻の筋肉は上半身と下半身を繋ぐ、とても重要な場所であるといえるのです。
お尻の筋肉の役割は?
お尻の筋肉の特徴が分かったところで、次にお尻の筋肉にはどのような役割があるのかをみていきましょう。
お尻の筋肉は前述したように全身の中で最も面積の大きな筋肉ですが、ただ大きいだけでなく、大きな分、厚みもあります。
筋肉自体に厚みがあることで、座位姿勢になったときには関節や神経を保護するクッションのような役割があります。
また、お尻をイメージしていただくとわかりやすいですが、お尻には筋肉だけでなく、脂肪組織も多く存在しています。
特に女性はお尻に脂肪がつきやすい生態をしていますが、お尻周りにつく脂肪組織はなくてはならない存在なのです。
前述した座位姿勢でのクッションの役割を筋肉と共に果たすことはもちろん、その他にも骨盤が開いてくる成長していく中での生体変化に順応していたり、出産をするときに骨盤帯や股関節を守る役割があります。
お尻には大きな筋肉と適度な脂肪組織があることで関節や神経を保護するクッションのような役割があるのです。
お尻の筋肉にはどのようなものがあるのか?
お尻の筋肉はいくつかの筋肉が合わさって成り立っています。
では、お尻だけで何個の筋肉が存在しているのかをまずはみていきましょう。
- 大殿筋
- 中殿筋
- 小殿筋
- 梨状筋
- 上双子筋
- 内閉鎖筋
- 下双子筋
- 大腿方形筋
- 外閉鎖筋
これら9つの筋肉がお尻には存在しています。
では、次にそれぞれの筋肉の付着部や作用をみていきましょう。
大殿筋
- 起始:(浅部)腸骨稜、上後腸骨棘、仙骨、尾骨・(深部)腸骨翼の殿筋面、仙結節靭帯
- 停止:大腿筋膜の外側部で腸脛靭帯に移行・大腿骨臀筋粗面
- 作用:股関節伸展、内転、外転、外旋
- 支配神経:下殿神経(L5~S2)
中殿筋
- 起始:腸骨翼の殿筋面(前殿筋線と後殿筋線の間)、腸骨稜の外唇、臀筋腱膜
- 停止:大腿骨の大転子の尖端と外側面
- 作用:股関節外転、屈曲、伸展、内旋、外旋
- 支配神経:上殿神経(L4~S1)
小殿筋
- 起始:腸骨翼の殿筋面(前殿筋線と下殿筋線の間)
- 停止:大腿骨の大転子の前面
- 作用:股関節外転、わずかな内旋
- 支配神経:上殿神経(L4~S1)
梨状筋
- 起始:仙骨の前面で第2~第4前仙骨孔の間とその外側、大坐骨切痕の縁
- 停止:大腿骨の大転子の尖端内側面
- 作用:股関節外旋、わずかな外転
- 支配神経:仙骨神経叢(L5~S2)
上双子筋
- 起始:坐骨棘
- 停止:大腿骨の大転子の転子窩
- 作用:股関節外旋
- 支配神経:仙骨神経叢の分枝(S1~S3)
内閉鎖筋
- 起始:閉鎖孔周りの寛骨内面及び閉鎖膜
- 停止:大腿骨大転子の転子窩
- 作用:股関節外旋
- 支配神経:仙骨神経叢の分枝(L5~S1)
下双子筋
- 起始:坐骨結節
- 停止:大腿骨大転子の転子窩
- 作用:股関節外旋
- 支配神経:仙骨神経叢の分枝(L4~S1)
大腿方形筋
- 起始:坐骨結節
- 停止:大腿骨の転子間稜
- 作用:股関節外旋、わずかな内転
- 支配神経:仙骨神経叢の分枝(L4~S1)
外閉鎖筋
- 起始:閉鎖孔の内側骨縁の外面と閉鎖膜
- 停止:大腿骨大転子の転子窩
- 作用:股関節外旋、わずかな内転
- 支配神経:閉鎖神経(L3~L4)
表層筋と深層筋の分類
では、9つそれぞれの筋肉の起始停止などが分かったところで、次はお尻の筋肉を2つの分類に分けていきます。
- 表層筋
- 深層筋
の2つに分類していきます。
2つの分類はその名の通りで
- 表層筋:表面にある筋肉
- 深層筋:深部にある筋肉
です。
9つのお尻の筋肉がどちらの分類に分けられるのか見ていきましょう。
《表層にあるお尻の筋肉》
- 大殿筋
- 中殿筋
《深層にあるお尻の筋肉》
- 小殿筋
- 梨状筋
- 上双子筋
- 内閉鎖筋
- 下双子筋
- 大腿方形筋
- 外閉鎖筋
表層筋、深層筋それぞれどのような特徴があるのかを見ていきましょう。
表層筋
まずは表面にあるお尻の筋肉である
- 大殿筋
- 中殿筋
について説明をしていきます。
上記の図の右側にある筋肉2つです。
大殿筋
大殿筋はお尻にある最も表面にある筋肉で、最も面積の大きなお尻の筋肉です。
- 垂れたお尻になってしまう原因
- 大きなお尻になってしまう原因
になりやすいお尻の筋肉です。
最も表層にある筋肉であるがゆえに、椅子に座ったときには体重を直に受け止める筋肉であると共に、スクワットなどの運動を行ったときには最も動きやすい筋肉であると言えます。
また、面積が大きい筋肉であるため、大殿筋の筋力低下が起きた時には脂肪がつきやすく、垂れたお尻に繋がりやすいとも言えます。
ですが反対に考えると、表層にあり、面積が大きいことで使いやすい筋肉であるとも言えます。
ストレッチをしたときに最も伸張感を感じることが出来たり、トレーニングをしたときにも最も使用感を感じることが出来ます。
使わなくなってしまったときに影響を受けやすい筋肉ですが、使いやすい筋肉でもあるため、積極的にストレッチやトレーニングを行い、筋肉を動かすことが重要です。
中殿筋
大殿筋の下にあるお尻の筋肉です。
大殿筋の次に表層に位置する筋肉であるため、体表から中殿筋を触診することも可能です。
- バランス能力の低下に直結したり
- 歩行機能の低下に直結したり
中殿筋が使いにくくなることで、歩いているときに左右に揺れるような症状が見られ、年齢を重ねるにつれて使いづらく、筋力低下が起こりやすい筋肉であると言えます。
年齢を重ねると片足立ちができなくなるケースが多いですが、バランス能力そのものが低下したり、体幹部の安定がなくなってしまったりすることもありますが、中殿筋の筋力低下によって片足立ちが上手くできないといったケースが多く見られます。
お尻の側方部分に位置する筋肉であるため、身体の左右のぶれと関係が深い筋肉です。
- 最近、バランスが取りづらくなってきたという方
- 歩くときになんだか左右に揺れてしまうという方
こういった方々は中殿筋を鍛えて左右のブレをなくしていくことが重要です。
深層筋
次にお尻の奥の方に位置する深層筋について説明をしていきます。
深層筋には
- 小殿筋
- 梨状筋
- 上双子筋
- 内閉鎖筋
- 下双子筋
- 大腿方形筋
- 外閉鎖筋
7つの深層筋がありますが、上記の深層筋の中でも更に分類分けをしていきます。
それは「深層外旋六筋」というものです。
その名の通り、股関節を外旋する作用のある6つの筋肉の総称です。
※外旋=膝を外側に開くような動きのこと
ここで一つおさらいをしていきます。
小殿筋の作用を思い出してみましょう、、、。
小殿筋の作用:股関節外転、わずかな内旋
でしたね!!
もうお分かりですね!!深層外旋六筋の6つの筋肉の作用は「外旋」ですので、先ほど、記載した深層筋の中で外旋の作用を果たさない筋肉は「小殿筋」です。
では、ここからは小殿筋と深層外旋六筋に分けてお伝えしていきます。
小殿筋
上記の写真の左側にある筋肉です。
体表から考えると、大殿筋→中殿筋→小殿筋という順番で筋肉が付着しています。
小殿筋はお尻のインナーマッスルとも表現されます。
お尻の筋肉の中でもマイナーな筋肉ですが、実は小殿筋は股関節を安定させるために重要なキーマンになっている筋肉です。
上記でお伝えしている表層筋である中殿筋と同じような働きがある小殿筋ですが、中殿筋をサポートするような役割を果たしています。
- 歩行機能を改善したい方
- 股関節疾患のある方(股関節臼蓋形成不全など)
にはとても重要な筋肉となりますので、筋力低下が起きないように動かしておくことが重要です。
深層外旋六筋
上記でお伝えしてきたように
- 梨状筋
- 上双子筋
- 内閉鎖筋
- 下双子筋
- 大腿方形筋
- 外閉鎖筋
6つの筋肉を総称して「深層外旋六筋」と言います。
深層外旋六筋はその名の通り、深層にあるお尻の筋肉です。
これら6つの筋肉は股関節外旋が主動作となりますが、股関節の安定にとても重要な役目を果たしています。
深層にある筋肉であるが故に、インナーユニットとして安定に寄与する筋肉ですが、6つの筋肉はそれぞれ少しずつ付着部が異なるため、どれか一つの筋だけが活動をしていても、どれか一つの筋が活動していなくても本来の力を発揮することができません。
6つの筋肉すべてを活性化することが重要です。
また、深層筋であるため使われる機会が減ってしまうことで筋肉が固まりやすいので、注意が必要です。
深層外旋六筋は小殿筋同様にインナーユニットとして活動するため、股関節の安定に寄与しています。
- 股関節に痛みがある方
- 歩行の際に左右にぶれてしまう方
などは6つの筋肉を活性化して深層筋の活動を高めていきましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回はお尻の筋肉についてお伝えするコラムをお届けしました。
お尻の筋肉といってもひとつではなく、複数の筋肉が存在しています。
今回、ご紹介したお尻の筋肉9つ
- 大殿筋
- 中殿筋
- 小殿筋
- 梨状筋
- 上双子筋
- 内閉鎖筋
- 下双子筋
- 大腿方形筋
- 外閉鎖筋
上記の9つはそれぞれがどのような位置に付着していて、どのような役割があるのかを把握しておきましょう。
- ヒップアップをしたい!!と思っている方が小殿筋トレーニングをしていたり
- 歩行時に左右にぶれてしまうのを改善したい!!と思っている方が大殿筋だけのトレーニングをしていたり
すると、せっかくトレーニングを行っていても本来の意図している運動の効果を得られない可能性があります。
皆様がどのような目的でお尻のトレーニングを行うのか?で鍛えたい筋肉も異なりますので、まずは今回のお尻の筋肉の基礎的な部分を把握しておきましょう!!
まだまだ暑い日が続きます…。運動を行う際には適度な休憩と水分補給を行い、無理のない範囲で運動を行っていきましょう!!
まだスマートチェーンに来たことがない方はまずは、お近くの店舗で体験レッスンを受けてみませんか?現在、お得なキャンペーンも実施中です!!
今月も皆様のご来店をスタッフ一同心よりお待ちしております!!
- スマートウェイ/スタジオ/メディカルフィットネス小樽店
- スマートウェイ西友平岸店
所属の健康運動指導士トレーナー竹村です。
内科系疾患・整形外科疾患・予備軍の方に向けた健康増進施設、指定運動療法施設にてトレーナー従事中
運動を行う上での効果やポイント、身体についての知識など、運動に関わる様々な情報を発信していきます。
関連記事
-
コラム
小樽店スタッフが実食!健康になれるお弁当を正直レビューしてみ...
#スマートウェイ小樽 -
コラム
最近話題の【フレイル】とは?介護の手前でフレイルを予防して健...
-
コラム
あなたの仕事中の姿勢は大丈夫?デスクワーカー必見!日々の姿勢...
-
コラム
朝の習慣で生活の質が上がる?!自律神経を整える6つの習慣をご...
-
コラム
【タバコと身体の関係】嗜好品として扱うだけではない身体への弊...
-
コラム
スマートウェイ・スマートスタジオに在籍するスタッフはどんな資...
#スマートウェイ北12条 #スマートウェイ小樽 #スマートウェイ屯田 #スマートウェイ恵み野 #スマートウェイ旭川駅前 #スマートウェイ真駒内 #スマートウェイ苗穂 #スマートウェイ菊水 #スマートウェイ西友平岸