【下半身筋力チェック】足腰衰えてませんか?片脚で立てますか?どれくらい出来るか簡単チェック①
北海道では雪が降る季節になると、転倒リスクが上がってしまいます。
トレーナーである私でも、毎年「今年こそは転ばない」と意気込んでも毎年転んでしまい、雪道にはなかなか勝てないものです。
そんな転倒リスクが高まる時期に大切なのは「下半身の筋力」です。
今回は2つのパートに分けて下半身の筋力についてお伝えしていきます。
前半パートでは
- 下半身の筋力が衰えるとどんなことが起こるのか
- そもそも下半身の筋力にはどんなものがあるのか
をまとめていきます。
下半身が衰えるとどんなことが起こる?
下半身の筋力が落ちてくると、様々な弊害が出てきます。
特にヒトは何処かに行きたい時には自身の脚で歩いて向かい、ものを拾う時にはその場でしゃがみこむ動作をしますが、この動作全て下半身の筋力を使っています。
簡単にいうと、立っているだけでも下半身の筋肉を使っているということになります。
そんな生きていく上でとても大切な下半身の筋力が衰えてしまうと、どんな弊害があるのか詳しく見ていきましょう。
転倒リスクが高まる
転倒してしまう原因は幾つか考えられます。
バランス能力の低下や感覚能力の低下など、いくつかの要因が折り重なって生じていると言われています。
その中でも、高齢者の転倒と関連が最も高いといわれているのは筋力低下です。
筋力は20歳をピークにその後からは少しずつ筋肉量が減少します。
しかし、その中で高齢者でも運動により筋力増強をすることは可能であり、筋肉量の増加に伴い転倒リスクも軽減することが可能です。
また、高齢者において転倒したことがある人はない人に比べ、筋肉量が約5%低いということが明らかになっています。
以上のことから筋肉量を増やすことが出来れば、転倒リスクを低下させることが出来るということです。
寿命が縮まる
寿命の中でも特に健康寿命が大きく影響を受け、筋肉量が大きく関与してきます。
生まれたばかりの赤ちゃんは筋肉量は少なく、立つことも歩くこともできませんがそこから成長していくにつれて筋肉量が増え、20歳が筋肉量のピークとなります。
その後、20歳を過ぎると少しずつ筋肉量が減っていき、70歳代では20歳代の4割程度に減少してしまいます。
年齢と共に筋肉量は減少してしまいますが筋肉量の減るスピードは人によって異なり、特に関わってくるのが中年期・高齢期の生活習慣です。
30〜50歳代の中年期にあまり運動をしないで過ごすと、筋肉が急激に減少する可能性があります。
また、筋肉量が保てているほど寿命が長いという結果も出ており、筋肉量が多いほど長生きできることが証明されたものもあります。
歩くスピードによっても結果は異なり、歩くスピードが速い人が長生きできているという結果が出ています。
早く歩けるということは筋肉量が多いとも言えますので、結果的に筋肉量が保てている人の方が長生き出来るということです。
病気のリスクが高まる
先程お伝えしたように筋肉量は加齢に伴い、減少してしまいます。そして筋肉量が減ると、肺炎や風邪などの感染症、糖尿病などの生活習慣病などさまざまな病気のリスクが高まります。
筋肉はエネルギーの貯蔵庫とも言われています。
筋肉の働きのひとつとして、血糖値の調整を行う働きがあります。
食事を食べたあとの糖に関しては一部は脂肪に蓄えられますが、多くは筋肉にため込まれます。
ここで筋肉量が減ると、糖をためておく貯蔵庫の割合が少なくなるため、糖を調節する力が低下してしまいます。
結果的に血糖値が変動しやすくなり、糖尿病になる可能性が高まってしまうのです。
また、筋肉量が減ると免疫機能が低下してしまうという結果もあります。
筋肉量が減り免疫力が低下したことで肺炎などにかかる人が多いことも報告され、筋肉量が少ない高齢の男性は筋肉量が多い男性に比べ、死亡率が約2倍になるとの調査結果がまとめられてるものもあります。
太りやすくなる
下半身の筋力は身体の中でも面積の大きな筋肉で、全身の70%が下半身に集中しているとも言われます。
そんな大きな下半身の筋力が低下すると何故、太りやすくなるのか?
理由は大きく2つ挙げられます。それは
- 基礎代謝が下がる
- 歩行機能が下がる
この2つです。
少し細かく見ていきましょう。
基礎代謝が下がる
そもそも、基礎代謝とは生きているだけで消費できるエネルギーのことを指します。
少し細かくお伝えすると、体温維持、心臓や呼吸など、人が生きていくために最低限必要なエネルギーのことを指します。
人によって差はありますが、一般的には一日に消費するエネルギーのうち70%を占めています。
では、何故この基礎代謝が筋肉量と関係があるのか?
筋肉は身体を支える役割を持ちますが、それ以外にも体温をつくり出す働きを担っています。
筋肉は基礎代謝の中でも一番多くエネルギーを必要とするため、筋肉量が低下すると代謝が落ちてしまうのです。
また、筋肉量が低下し代謝が低下してしまうと、体温が維持できなくなります。
その結果、体内の熱を逃がさないように筋肉が減った分を脂肪で埋めようとしてしまいます。この状態が過剰に進むと「肥満」になってしまうという悪循環になるのです。
また、安静時代謝を考えた時にはいくつかの組織によって代謝率が変化します。
*安静時代謝量の内訳は、次の通りです。
- 骨格筋:22%
- 脂肪組織:4%
- 肝臓:21%
- 脳:20%
- 心臓:9%
- 腎臓:8%
- その他:16%
以上のことから何が分かるでしょうか?
注目して頂きたい部分は骨格筋と脂肪組織の割合です。明らかに脂肪よりも筋肉の方が代謝量が多いことが分かります。
これらのことから筋肉量、特に大きな下半身の筋肉量を増やすことが基礎代謝を上げることに繋がるのです。
*安静時代謝
REE: resting energy expenditure
じっとしているときのエネルギー消費量のことを指します。
基礎代謝量の約1.2倍とされていて、起床後の活動や食事などの影響によって、多少変動すると言われています。
歩行機能が下がる
下半身筋力が衰えて来てしまうと歩いてるうちに疲れてきてしまう為、歩くことが億劫になり段々と歩く時間や距離が短くなってしまいます。
その結果、歩行機能が下がってしまうのです。
歩行機能が下がるということは、家の中でしか動かなくなり外出する機会が減ってしまいます。
そうなると誰かと会う機会が減ったり、散歩や旅行に行く機会が減り、認知機能の低下や、更なる身体の不活動となり、悪循環に陥ってしまう可能性があります。
下半身の筋力とは?
下半身の筋力は上半身の筋力よりも3倍衰えやすいと言われています。
下半身は全身の中でも大きな筋肉が多く存在していますが、何故大きな筋肉であるにも関わらず、衰えてしまうのか?
それは、下半身は持久的な運動よりも瞬発的な運動の方が多いということが原因となります。
下半身に限らず筋肉の衰えを考えた時には、持久的な筋肉よりも瞬発的な動きに関わる筋肉の方が衰えやすくなります。
例えば…
- 行き道で滑ってしまった時に転倒しないように瞬発的に筋肉を使うこと
- 誰かとぶつからないように相手を避けるために瞬発的に筋肉を使うこと
などが挙げられます。
下半身の筋力といっても沢山の部位がありますが、今回は代表的な太もも周りに付いている筋肉について簡単に説明をしていきます。
太ももには前後左右に大きな筋肉が付着しています。
それぞれの部位ごとにどんな筋肉の役割があるのかを見ていきましょう。
大腿四頭筋
太ももの前側に付いている筋肉、大腿四頭筋は4つの筋肉の総称です。
全身の筋肉の中で最も体積の大きい筋肉で、身体の中で最も強力な筋肉です。
4つの筋肉を細かく見ていきましょう。
大腿直筋
- 起始:腸骨から寛骨臼のすぐ上(下前腸骨棘)
- 停止:膝蓋骨の上縁、膝下靭帯を通して脛骨粗面
- 作用:股関節屈曲、膝関節伸展。大腿四頭筋の中で唯一の二関節筋。股関節と膝関節の両方にまたがっている筋肉
- 神経支配:大腿神経(L2・3・4)
内側広筋
- 起始:大腿骨転子間線と粗線の内側唇
- 停止:膝蓋骨の上縁内側、膝蓋靭帯を経て脛骨粗面
- 作用:膝関節伸展。特に遠位端の水平線維により膝蓋骨を安定させる作用を持つ
- 神経支配:大腿神経(L2・3・4)
外側広筋
- 起始:大転子および粗線の外側唇
- 停止:膝蓋骨の上縁外則、膝蓋靭帯を経て脛骨粗面
- 作用:膝関節伸展。膝蓋骨の安定
- 神経支配:大腿神経(L2・3・4)
中間広筋
- 起始:大腿骨軸の前面および外側面
- 停止:膝蓋骨の上縁中央、膝蓋靭帯を経て脛骨粗面
- 作用:膝関節伸展。膝蓋骨の安定
- 神経支配:大腿神経(L2・3・4)
ハムストリングス
太ももの後ろ側に付いている筋肉
ハムストリングは内側と外側で筋肉が分かれており、3つの筋肉の総称です。
大腿二頭筋
- 起始:長頭→坐骨結節/短頭→大腿骨中部後面
- 停止:腓骨頭と脛骨外側顆
- 機能:股関節の伸展、膝関節の屈曲、外旋
- 神経支配:長頭→坐骨神経の脛側部(S1・2・3)/短頭→坐骨神経の腓骨側部(L5、S1・2)
半腱様筋
- 起始:坐骨結節
- 停止:脛骨粗面の内側(鵞足)
- 機能:股関節の伸展、内旋、膝関節の屈曲、内旋
- 神経支配:坐骨神経の脛側部(L5、S1・2)
半膜様筋
- 起始:坐骨結節
- 停止:脛骨内側顆の後面
- 機能:股関節の伸展、内旋、膝関節の屈曲、内旋
- 神経支配:坐骨神経の脛側部(L5、S1・2)
内転筋
太ももの内側に付いている筋肉です。
内転筋は大きな大内転筋と、長い筋と短い筋の3つから成り立っています。
大内転筋
- 起始:恥骨枝、坐骨枝、坐骨結節
- 停止:大腿骨中央後面、大腿骨内側上顆
- 機能:股関節の内転、股関節の内転に伴う股関節の外旋
- 神経支配:前方→閉鎖神経(L2・3・4)/後方→坐骨神経(L4・5、S1・2・3)
長内転筋
- 起始:恥骨前面で恥骨稜のすぐ下
- 停止:大腿骨中央後面
- 機能:股関節の内転、股関節の屈曲の補助
- 神経支配:閉鎖神経(L3・4)
短内転筋
- 起始:恥骨下枝の前面、長内転筋の起始のすぐ下
- 停止:小転子の下方
- 機能:股関節の内転、股関節の内転に伴う外旋
- 神経支配:閉鎖神経(L3・4)
大腿筋膜張筋
太ももの外側に付いている筋肉です。
- 起始:上前腸骨棘
- 停止:腸脛靭帯を経て、大腿骨外側上顆、脛骨外側顆、腓骨頭
- 機能:股関節の外転、屈曲、股関節の屈曲と同時に内旋
- 神経支配:上殿神経(L4・5、S1)
これらの太もも周りについている下半身の大きな筋肉をしっかり備えておくことが重要です。
まとめ
前半パートでは、
- 下半身の筋力が衰えるとどんなことが起こるのか
- そもそも下半身の筋力にはどんなものがあるのか
をお伝え致しました。
今回の前半パートの内容を見た上で後半パートをご覧いただくとより、理解が深まるかと思います。
後半パートでは、実際にご自身の下半身筋力はどのくらいあるのか?を確かめられる内容となっておりますので、是非あわせてご覧下さい!
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所属の健康運動指導士トレーナー竹村です。
内科系疾患・整形外科疾患・予備軍の方に向けた健康増進施設、指定運動療法施設にてトレーナー従事中
運動を行う上での効果やポイント、身体についての知識など、運動に関わる様々な情報を発信していきます。
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